大阪市をよくする会

なるほドリ;大阪市の「赤バス」は廃止されるの?

 毎日新聞は7月27日、コラム「なるほドリ」で次の報道を行いました。

◇今年度19億円以上の赤字 2万人アンケートで役割再考
 なるほドリ 大阪市が廃止するという赤バスって何なの?

 記者 大阪市営バスで、路線バスとは別に02年から導入された25~27人乗りの小さなバスです。外国製車両で車体の色が赤く、住宅街など狭い道路も走る短距離バスで現在は28路線あります。料金は1回100円で市バスの半額です。

 Q なぜ廃止しようとしているの?

 A 市バス事業全体が多額の赤字を抱えているためです。累積赤字は600億円を超える見通しです。赤バスの利用も低迷していて平均の乗車密度は1台あたり4人。赤バスで100円稼ぐために経費は550円かかっています。走れば走るほど赤字が増え、今年度は赤バスだけで19億円以上の赤字が見込まれています。さらに来年度末に16億円かかる車両の更新時期を迎えるため、廃止する方針を打ち出したのです。

 Q 「市民のため」に始めたサービスでしょ?

 A そうなんです。でも市が調べたら路線バスとコースが重複するケースが多く、赤バスでしか移動できない人は15%と分かりました。しかし交通網がそもそも発達している大阪で、利用の低迷は十分予測できたはず。いったん始めた市民サービスを赤字だからと廃止するのは不信感を招きます。市議会も、廃止への抵抗が根強くあります。

 Q 廃止で困る人もいると思うけれど。

 A 市は公共交通を維持するため、と訴えています。バス関連の採用凍結や人件費など経費節減も進めるとしていますが、市民に痛みを求める以上、当然でしょう。ただ巨額の税金を投入し続け、利用が限定的な赤バスを存続させることはどんな意味を持つのか。公共交通が担う役割についてもじっくり考える必要があります。

 Q 廃止した場合、代わりのサービスはあるの?

 A そこが大きな議論になっています。赤バスをやめても同じようにお金がかかるのなら廃止の意味がありません。乗り合いタクシーの導入などを例示し、専門家が集まって協議していますが、現段階では何も決まっていません。2万人規模のアンケートも7月中に実施する予定ですが、これからはお年寄りも増えます。税金をいかに有効に使うのか、優先順位を決めるのは市民次第です。