大阪府と大阪市は2日、水道事業統合に向けて、9月中旬までに府内の受水市町村でつくる府営水道協議会への説明会を開催し、市が指定管理者として府営水道事業を請け負う「コンセッション方式」に理解を求めることで合意した。府が5月に府営水道卸売り料金の先行値下げ案を公表して以降、府水道部と市水道局の対立で停滞していた統合協議が前へ動き出す。市幹部は「わだかまりが消化でき、ようやく入り口に立った」と話した。市の説明によると、府は先月28日の市との協議の中で、水道事業統合による市の水の活用を前提としない府営水道の先行値下げ案を撤回。ただ、統合に伴う効果を先取りした形での値下げを平成22年4月から実施する方向で検討している。今後、府営水道協議会や市町村の合意を得て、23年2月の府議会で市に府営水道を委託する議案の可決を目指すという。橋下徹知事は今回の合意について「府水道部側がカードを切り損ねたので、ここまでごたごたしてしまった」と指摘。一方、平松邦夫市長は「橋下知事がリーダーシップを示し、府水道部の説得にあたった結果だ」と強調した。
産経新聞 2009.9.2 20:25