大阪市をよくする会

WTC破綻で大阪市損失は804億円 市長「歴代市長ら責任痛感を

 大阪府へのビル売却が決まった大阪市の第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC、会社更生手続き中)の破綻(はたん)処理に伴う市の損失が総額804億円に上ることが23日、分かった。市が市議会建設港湾委員会で明らかにした。
 市によると、損失の内訳は、金融機関に対するWTCの債務を肩代わりする損失補償424億円▽WTCへの出資金や貸付金などの債権放棄275億円▽駐車場とホールの売買差損47億円▽これまで支出した補助金や負担金58億円。
 このうち損失補償と債権放棄の大半にあたる695億円を市議会に補正予算案として計上。損失補償分は、米映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(此花区)の運営会社の株式売却益と貸付金の返還分260億円に加え、三セクの破綻処理に使える第三セクター等改革推進債の起債164億円でまかなう。
 この日開かれた同委員会で平松邦夫市長は「WTCの事業計画策定や運営に責任のある(歴代)市長や幹部職員らは責任の重大さを痛感するべきだ」と強調した。

2010.2.23 23:28 産経新聞