読売新聞は7月13日、次の報道を行いました。
大阪市は12日、大阪府と業務が重なる「二重行政」の解消に向け、府市の約330事業を対象に実施した仕分け案を発表した。6月に公表された府案が「広域自治体の業務」とした地下鉄について、「都市活動を支える施策」として市の業務に分類。府市再編による橋下徹知事の「大阪都構想」をベースにした府案に対抗する内容で、双方の考え方の違いが改めて浮き彫りになった。
市は、基本的に事業は基礎自治体としての市が担うべきだと定義。府域を超えた「関西州」を広域自治体と位置づけ、調整機能に徹すべきだとした。
市営地下鉄については、府が「広域的な視点でのネットワーク化が必要」と広域自治体の業務に分類していたが、市案は「市民の貴重な財産」として市営を継続。市幹部は「地下鉄を売却して高速道路の建設財源に充てるとする橋下知事の考え方には賛同できない」としている。市内に併存する市中央体育館(港区)と府立体育会館(浪速区)については、「住民に身近な基礎自治体が担うべきだ」とし、府案が広域自治体の権限とした都市計画決定も「基礎自治体の権限」とした。
一方、広域自治体が担う事業としては、大阪港や阪神高速道路、関西空港などの物流基盤を挙げた。
橋下知事と平松邦夫市長は2月、二重行政解消の観点からそれぞれで事業を仕分けすることで合意しており、府市両案をもとに再協議する方針。