大阪日日新聞は9月12日、次の報道を行いました。
中学校給食がなく、家庭弁当を持ってこられない生徒に業者弁当を販売する昼食提供事業を行う大阪市で、生徒の保護者の8割強が給食導入を求めていることが市教育委員会のアンケートで分かった。家庭弁当の持参日数が少ない生徒ほど同事業を利用している半面、弁当を持ってこない日は昼食を食べない生徒数が1%強で推移するなど、現行制度の成果と課題も浮き彫りになった。
アンケートは6月、中学生、小学6年とそれぞれの保護者、教職員、市民ら約2万人を対象に行い、回答数は1万7778人。給食導入について、「実施するほうがよい」「どちらかといえば実施するほうがよい」の合計は生徒保護者で82%、小6保護者で87%、市民で78%と高かった。半面、生徒、児童は4割強と、立場によって数値に開きがあった。
中学校での昼食の状況は、家庭弁当を週4日以上持参するのが88%。家庭弁当を持参しない日は、パンやおにぎりなどを選択するのが7割強で、栄養に配慮した同事業の利用は2割だった。ただ、日常的に家庭弁当を持ってこない生徒の約66%は主に昼食提供事業を利用していることも分かり、市教委は同事業が「セーフティーネット(安全網)の役割を果たしている」と位置付ける。
しかし、家庭弁当を持ってこない日は「昼ごはんを食べない」割合が、昨年11月調査で35人、今回も34人と1%強で推移。中には家庭の事情などで食べたくても食べられない生徒がいる可能性もあり、同事業の安全網の限界も見られた。
給食と同事業では、給食の場合、小学校給食を参考にすれば、昼食を食べられない生徒はいなくなるとみられる。また、困窮世帯の場合は、就学支援や生活保護の教育扶助で行政側が費用を負担する。同事業では、1食280円で、費用の振り込みと予約を済ませなければ弁当は取り寄せられない。
ただ、給食導入には、初期の設備投資で約20億円、運営費用で年間約10億円が必要で、導入に否定的な市民の6割弱は「学校給食の実施に多額の税金を使うよりも、ほかのことに使うべき」と答えていた。平松邦夫市長は、弁当なども選べる選択性の給食制度導入の目安を、昼食提供事業の利用率10%以上と示しているが、7月で8%と伸び悩んでいる。