2011年3月1日 大阪市をよくする会常任幹事会
大阪市は2012年度から順次、2013年度内に全ての公立中学校で、給食か持参弁当かを選べる「選択制給食」を実施する方針を固めました。中学校給食の実施については、2007年の大阪市長選挙で大阪市をよくする会が政策として発表し、市民から大きな支持の声が寄せられ、後に平松候補(当時)が公約に掲げた経緯があります。また、大阪市会で「中学校給食の実施を求める決議」が採択され(2010年10月13日)、平松市長も2010年12月10日の決算委員会で、日本共産党の上野とき子議員の質問に答え「任期中にその実施時期を明らかにしたい」と答弁。中学校給食の実施に向けての気運が高まりました。 今回の中学校給食の実施は、こうした流れの中でのものであり、世論が政治を動かし、中学校給食のスキームを作りだしたという点において歓迎の意を表します。学校給食となれば、市としての予算化、国からの助成が可能となり、また、就学援助の対象にもなります。さらに、献立は管理栄養士が作成するもので、バランスのとれた内容となります。 しかしながら、この度大阪市が実施しようとしているものは、「センター方式」「民間委託」であり、私たちが求めてきた直営自校調理方式と大きな隔たりがあることも指摘しなければなりません。センター方式では食中毒対策とのことで、おかずを冷たいままにせざるを得ません。また、堺市でのO-157食中毒が、センター方式によって多くの学校に広がってしまったことへの教訓が生かされているのかという疑問も残ります。大阪府下の公立中学校では、わずか7.7%しか中学校給食を実施しておらず、全国平均の80%から大きく遅れています。そのような中でも和泉市では直営自校方式で中学校給食を実施しており、大阪市において実施が不可能とは考えられません。大阪府は、中学校給食の実施に当たり、一般市町村に対して初期費用の半額を負担する債務負担行為として246億円を予算計上しました。これは大阪府内での中学校給食の実施促進にとって好ましいことではありますが、大阪市と堺市が単に政令指定都市だからというだけで、この助成から排除されていることは、大阪市民や堺市民の理解を得にくいでしょう。 自校調理方式による給食は、雇用を広げる効果、地産地消によって地域経済を振興する効果、さらには学校における食育に寄与するなど様々な効果につながることが期待されるものです。 私たちは、持参弁当を持たせたいという保護者の感情を否定するつもりは毛頭ありませんし、また、食物アレルギーなどで、すぐに給食になじめない生徒がいることも事実です。こうしたことは、市民的な議論を通じて解決していくことを望むものです。そして、安全安心、温かいおかずの提供、雇用と地域経済、食育の促進を願う立場から、引き続き直営自校調理方式の中学校給食の実施を強く求めるものです。