大阪府議会、大阪市会の民主主義と地方自治を死滅させる異常事態[PDF]
府民、市民置き去りで「大阪都」構想に暴走する橋下・維新政治にストップを
2014年7月11日
明るい民主大阪府政をつくる会 事務局長 前田 博史
大阪市をよくする会 事務局長 福井 朗
大阪府議会、大阪市会をめぐる報道では法定協、議会運営委員会、専決処分などの言葉が踊り、住民から見れば「よくわからない」との声が聞こえてきます。しかし、府議会、市会で今、起こっていることは橋下・維新の会の独裁的手法による議会制民主主義と地方自治の死滅につながる異常事態だと言えるものです。
具体的には、府議会の法定協委員のうち自民、民主、公明党委員を維新議員に強引に差し替え、7月3日の法定協は、知事・大阪市長、維新議員だけで開催するという暴挙が行なわれ、「維新による、維新のための、維新だけによる『協定書』づくり」が進められているからです。
「大阪都」構想をめぐっては、府議会、市会の代表らで構成する法定協議会で議論し、青写真とも言える「協定書」を作り、府議会、市会の決議を経て、住民投票にかけて支持されれば成立する「筋書き」になっています。
過去13回開かれた法定協議会の中で、問題点が続出し、橋下・維新の会が当初予定していた2015年4月スタートが困難となる事が明らかになりました。橋下市長は2月に強引に「出直し市長選挙」に打って出ましたが大きく支持を減らし「壮絶な“空振り”」(石原共同代表・当時)と言われたように、大義も道理もないことを示しました。本来は、この結果を謙虚に受け止め維新の会として「大阪都」構想や府政、市政運営を抜本的に見直すべきではないでしょうか。
ところが、来春のいっせい地方選挙で維新の形勢が不利と見るや、強引に「大阪都」構想の住民投票をぶつけるために「協定書」の作成を急ぎ、仮に議会が否決しても知事や市長の独断で住民投票を実施する(専決処分)ことをにおわせています。その第1歩が、7月3日の維新による強引な法定協開催でした。そこには、橋下市長の得意な「民意」なるものは一切ありません。
こうした維新による暴走に対して「大阪都」構想を支持する人も、支持しない人も含めて批判の声が起こりつつあります。府民の中にも、議会の中にも多様な意見があり、だからこそ議論をつくし合意を図るのが議会制民主主義であり、地方自治の原則ではないでしょうか。府議会、市議会では維新以外の会派から臨時議会の開催要求をも拒否するなど、かつての鹿児島県阿久根市(竹原市長時代)と同様の異常運営が行なわれています。この事態について「首長が自らの政治目的のために勝手な解釈をするのは本来許されない」(富野暉一郎・龍谷大学教授)と指摘されています。
橋下・維新の会が誕生して4年たちましたが、府民のくらしや商売はよくなったのでしょうか?橋下市長は「大阪都」構想で暴走する一方で、否決された地下鉄や幼稚園の廃止・民営化は執拗に議会に提案しています。大阪府と大阪市が本来の役割に立ち戻り、府民生活や防災問題、地域経済等の「住民福祉の向上」のための仕事に専念するよう、維新政治の暴走をストップさせる共同を心から呼びかけるものです。
以上