大阪市をよくする会

住民投票の大争点、「住民サービス」問題をめぐる論戦と維新による異常事態について

 最終盤になり住民サービス低下か否かが大争点になっています。松井市長は財政局長にせまり、財政局が出した資料を「ねつ造」だったと記者会見で言わせる異常事態になっています。

 

 この件につき、「よくする会」「明るい会は」本日午後1時30分より緊急記者会見を大阪市役所で行いました。この会見には「明るい会」荒田功事務局長、「よくする会」福井朗事務局長、中山直和事務局次長、山中智子大阪市会議員が出席しました。

 

住民投票の大争点、「住民サービス」問題をめぐる論戦と維新による異常事態について

2020年10月30日
大阪市をよくする会・明るい民主大阪府政をつくる会

 

(1)

 

 大阪市廃止の是非を問う「住民投票」の投票日を直前に控え、「住民サービス」が低下するのか否かが大争点に浮上しています。
 このなかで26日、大阪市財政局が「218億円」のコスト増につながるという試算をだし、メディアで報道したことについて、29日、維新が衆院本会議の場で「重大な誤報」と一方的攻撃をおこない、大阪市財政局長が松井市長との「懇談」のあと、だした資料は「誤っていた」と会見させられるなど、異常な事態が生まれています。

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 私たちは大阪市が「特別区」4つに分割されれば、1軒の家が4軒になった際に家計費が増えるのと同じように、4つの「特別区」の行政コストは大阪市より増大する。ところが国は「大阪市のまま」で計算することから、その差額が年間200億円にも及ぶことを指摘してきました。市財政局がだした資料は、これを裏付けるものでした。
ところが、維新はこの問題での批判をかわすため、衆院本会議の舞台で一部メディアを名指しして、中身を一切語らずに「重大な誤報」「虚偽記載で公選法違反」などと攻撃しました。みずからの政治的思惑のため国会の演壇を使い、言論・思想の自由を踏みにじることは許しがたい行為です。

 

 また、松井市長は財政局長に迫り、財政局が出した資料を「ねつ造」だったと記者会見で言わせています。今回、財政局が提供した試算は、総務省が提供している基準財政需要額の政令市用の計算式を活用して、単純に大阪市を4つに分割した場合の試算です。「特別区」の基準財政需要額を計算する式が存在しないことをもって、この試算を「ねつ造」と非難することはまったくの筋違いです。市長がみずからに都合の悪い資料をだしたからといって、幹部を追い詰め、見解をひっくり返させ、すべての責任を押し付けるなど、市長としてあるまじき行為です。

 

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 この問題の核心は、「大阪市を廃止・分割」することによって、どれほどコストが増えるのか。これに対して国から交付されない基準財政需要額の不足分の穴埋めをどうするつもりなのか。法定協議会で何度も資料提出を求められながら、松井市長らが拒み続けてきたことにあります。

 

 松井市長が知事当時の2012年11月7日、第30次地方制度調査会の専門小委員会に「大阪府市統合本部」が提出した「取りまとめに向けた考え方」では、「知事・市長案の考え」として、「地方交付税の算定上から導き出せる増加需要額を増加コストとして理論的に算出した結果、24区再編で約200億円~800億円(推計値)」と説明し、その穴埋めは「行政の効率化で財源を生み出す」とのべていました。

 

 問われているのは松井市長自身の説明責任です。市民にとって「住民サービス」が低下するのか、しないのか。その重要な判断材料を隠し続けるのは、市民への背信行為以外の何ものでもありません。ただちに資料を市民の前に提出するべきです。

 

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 自らに不都合な情報は隠蔽し、都合が悪くなると「メディアの誤報」「財政局長の責任」と責任を転嫁する異常な手法は、これが「一人の指揮官」でやりたい放題のできる体制とする「大阪都構想」の姿かと思わせるものです。
市民のみなさんに訴えます。住民投票の選択にあたり、文字通り「住民サービス低下」の重大なリスクを招く「大阪市廃止」にたいしても、さらに今回のような維新による民主主義を蹂躙する行為についても、きっぱり「反対」の審判を下そうではありませんか。

 

 私たちは、最後の最後まで、真実を市民に伝えきるために力をつくす決意です。