大阪市をよくする会

「府市一体化条例」の廃止・撤回を求める 声明

「住民投票」の結果を踏みにじる暴挙に抗議し、
「府市一体化条例」の廃止・撤回を求める!

 

 本日、大阪市会において「大阪市及び大阪府における一体的な行政運営の推進に関する条例」(以下「条例」とする)が維新・公明の賛成で可決された。24日には府議会でも可決されており、4月1日から施行される。

 

 この「条例」は、昨年11月1日に実施され、大阪市民が真剣に考えて出した「住民投票」の結果を踏みにじるものである。

 

 私たち大阪市をよくする会は、民主主義を踏みにじる暴挙に対し断固抗議するとともに、「条例」の廃止・撤回を求めるものである。

 

「府市一体化条例」の問題点と矛盾について

 

 吉村知事は「住民投票」直後、「都構想の対案」として427事務と2000億円の財源を大阪府に移管すると発言していた。

 

 しかし、「条例案」は地方自治法の「事務委託」の乱用によっても、成長戦略の策定や鉄道・高速道路建設など7つの都市計画権限を大阪府に「委託」するにとどまった。

 

 しかし、「条例」には「副首都推進本部会議」の構成員に教育委員会・教育長など、知事・市長から独立した執行機関の委員長などを加えるとされており、今後対象事業を拡大する可能性がある。

 

 また、「住民投票の結果を守れ!」との市民の強い声に押され、「大阪市を存続させるという民意を厳粛に受け止めている」とする公明党の修正要求を維新が丸のみした。その結果、「条例」が「都構想の完全な代案には至っていない」(吉村知事)と言わざるを得ないものとなった。同時に維新によって「三回目の住民投票」を実施する口実とされかねない。

 

 維新のねらいについて「看板政策だった都構想が住民投票で否決され『支持者にアピールする新たな施策が求められていた』(維新議員)」(日経新聞・3月25日付)と報道されているように、維新の「党利党略」という次元のものでしかなく、市民に無用な対立と混乱を持ち込むものである。また、総選挙をめぐる「党利党略」から賛成した公明党の民意への背信行為も許されるものではない。

 

「大阪市存続」の力で維新政治を打ち破り、ご一緒に新たな大阪づくりを!

 

 「条例」の成立で「事務委託」が自動的に実施されるものではなく、今後、「条例」に基づく「事務委託」の具体化として「規約」の作成作業が府市両議会で行われるとともに、「8区総合区」問題も浮上する可能性がある。その都度、「住民投票」の結果や「民意」とのねじれが拡大せざるを得ない。「条例」の問題点をねばり強く市民に情報提供していくことが求められている。

 

 また、「条例」がめざす先にあるのは、カジノ誘致や大型開発事業への巨額の税金投入であるが、カジノ誘致は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、開業の目途すら示せない状態となっているとともに、淀川左岸線二期工事の事業費が700億円、万博会場建設費用が600億円増となるなど、まさに破たん状態となっている。

 

 

 二度にわたる「住民投票」で勝ち取った「大阪市の存続」は、これからの市民の運動に決定的な力となることは間違いない。二年後に行われる知事・市長選挙を含む統一地方選挙で維新政治に終止符を打つため、私たち大阪市をよくする会は市民とともに全力を挙げる決意を表明する。

 

2021年3月26日  大阪市をよくする会 事務局長 福井朗