大阪府議会・大阪市会における「カジノ誘致計画」の議決強行を断固糾弾する(声明)
2022年3月29日 カジノに反対する大阪連絡会
1 本日、大阪府議会(3月24日議決)に続き、大阪市会においても「カジノ誘致計画」(大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画)の国への申請に同意する議案が可決され、併せてカジノ用地にかかる土壌改良費用として790億円もの大阪市負担が決定されました。
カジノ誘致の手続きを定めたIR整備法は、公聴会の開催を義務づけるとともに「住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」と明記しています。しかし、「IR誘致、地元住民と合意したのか 公聴会では9割反対」(朝日新聞・3月10日付)と指摘されているように、国に申請する前提条件である「住民合意」はどこにも存在していません。
まさに、民意を無視した議決強行に厳しく抗議するものです。
2 「カジノ誘致計画案」は、昨年12月23日に公表されましたが、府政だより・市政だよりでの周知はされず、ほとんどの大阪府民・大阪市民は「計画」内容を知りません。しかも、すべての住民説明会など終了後の2月15日に、大阪府・大阪市とカジノ事業者が「基本協定書」を締結しましたが、カジノ事業者の利益を最優先にし、大阪市の負担が際限なく拡大する内容であるにもかかわらず、市民にまったく説明されていません。さらに、松井市長が「カジノに税金は使わない」と繰り返し発言をしていたにもかかわらず、カジノ予定地の土壌改良費用に790億円もの公費を負担するなど、カジノ誘致の前提条件が崩れています。
私たちが2月にとりくんだ1,000人アンケート調査では、カジノ誘致計画を府民に知らせず2・3月議会で議決することに「このまま議決すべきでない」との回答が56%と多数を占め、大阪府・大阪市による手続きの不備に警鐘を鳴らしました。また、カジノに反対する団体が共同してとりくんだ新たなカジノ反対署名は、昨年末から短期間にも関わらず10万8千人を超える人たちから寄せられ、カジノ誘致への府民の強い怒りの声を大阪府知事・大阪市長に届けました。
カジノ誘致反対は大阪府民の多数意見であり、議会の同意議決は住民の意見を反映していません。
3 今後、大阪府が「カジノ誘致計画」を4月28日までに国に申請することが予測されますが、①「住民合意」のない手続きの不備、②過大で根拠が示されていない「カジノ誘致計画」、③カジノに関連するインフラ整備費用の際限のない増大、④カジノ事業者が認めたギャンブル依存症(カジノ入場者の2%)の危険性、⑤マイナスの経済効果、⑥台風や地震など災害に弱く危険な場所など、議論を重ねるほど問題点が明らかになり、これを放置した国への「計画」申請は断じて許されません。
私たちカジノに反対する大阪連絡会は、引き続き880万大阪府民に幅広く呼びかけ、カジノ誘致計画の重大な問題点を正確に届け、カジノ誘致計画をストップさせるため全力を挙げる決意です。
以上