国交省・内閣府・環境省と懇談
12月13日、大阪から12名の代表が上京し「カジノを認可するな!」の要請署名の第3次提出を行いました。大阪府下そして全国から集まった署名14,957人分を提出し、累計123,174人分となりました。
そして、国交省と内閣府とは4度目、環境省とは初めての協議を行いました。大阪と長崎から4月末に申請された「カジノ誘致計画」は国で審査が続いています。
大阪府・市の当初の目論見の「夏頃」を「秋頃」に変更していましたが、年末の現在も審査は継続され、越年するとのマスコミ報道が出ています。(国交省は「年内判断もありうる」と報道を一応否定して見せます)
これは、私たちやカジノに反対する多くの人たちのとりくみの成果であり、夢洲の土壌問題の深刻さを国に反映してきた成果が表れたものです。
夢洲の土壌問題が最大の焦点
「審査委員会の7名の委員には土壌の専門家がいない」という私たちの指摘に対して、国は10月28日付で3人の地盤工学と津波・高潮の専門家をオブザーバーとして委嘱しました。これは夢洲の土壌汚染、地盤沈下、津波・高潮などを検討するためで、大阪案件だと国交省が認めました。
これらの検討のために大阪市に資料請求するなど、一定の時間を要するため、「年内判断」は物理的に困難だと言えます。
また、人体に有害なPCBの存在が重大問題として浮上しています。
大阪市は1カ所のボーリング調査だけで「PCBは存在しない」と主張していますが、11月の交渉で夢洲に基準値の28倍ものPCBを含む土砂が投入されていることを示す資料を国に提供しています。
今回初めて協議した環境省に対し、①港湾局やIR推進局がカジノ用地を何本もボーリング調査していること、②その土壌サンプルで汚染物質調査が可能であることを指摘しました。
環境省はそれに対して、大阪市に資料を求めていることと、まだ提出されていないと回答しました。これは新たな情報であり、大阪市の責任が改めて問われます。
カジノ用地の賃料を不当に安くする違法な「土地評価」
11月の協議に続き、「カジノ用地の賃料に関わる疑惑」をやりとりしました。この問題は「認可」の前提として必ず満たさないといけない「要求基準」に関係することであり、「違法行為が発覚したら、認可した後でも取り消す」との国交省との9月の回答もあり、極めて重大な問題です。
国交省から協議に参加した佐藤参事官は、私たちの指摘に対してまともに答えず、現時点では「違法と認定されていない」とか「程度の問題」などという官僚答弁で返します。この不誠実さは、問題の重大性の裏返しと言えます。大阪市の土地鑑定談合疑惑・「違法行為」を許さないとりくみが求められます。
カジノ推進の国交省の姿勢を打ち破る運動の強化を!
国交省観光局・佐藤参事官は、これまでの協議で対応した国交省の担当者では最も上役で、国会では政府答弁者を務める人物、今年7月に防衛省防衛政策担当からカジノ担当に異動となった官僚です。答弁の端々にカジノ認可を推進する姿勢がにじみ出る発言を行っており、私たちの運動を一回り大きく広げる必要性を再確認した交渉になりました。国の判断は越年が濃厚です。
あらゆるとりくみの際に「カジノを認可するな!」の署名を携え、引き続き反対世論を広げるとりくみを呼びかけます。