大阪市をよくする会

「大阪市文化財協会」3月末で解散、十数万冊の貴重な蔵書が韓国に渡る

「大阪市文化財協会」3月末で解散、十数万冊の貴重な蔵書が韓国に渡る

 

文化財保護行政の崩壊

 

「二重行政の解消」を理由に文化財保護行政が破壊される!

 

 昨年9月に「大阪市文化財協会・文化財行政を考える」をテーマに「中央区自治体学校」を開催し、「協会」の存続を訴えてきました。

 

 一般財団法人である「協会」が黒字経営だったにも関わらず3月末で解散となり、難波宮跡公園内に存在した事務所・展示場の解体工事が始まっています(写真)。
十数万の蔵書を韓国に譲渡

 

 トレハロース(糖質)を使用した木造遺物の保存処理技術を開発、その手法は海外の研究機関から視察に訪れるほど高度な発掘調査の専門技術を有していた協会でしたが、その技術を継ぐところはなく、また十数万冊に及ぶ蔵書は国内での引き取り手が見つからず、韓国の研究機関(嶺南文化財研究所)に譲渡されました。

 

 文化を斬り捨てる一方で、カジノ利権へ邁進。これが品格なき維新のなせる業なのか。

 

 なお、新年度から発掘調査期間が1週間未満の案件は大阪市教育委員会(市教委)が、それ以外は府文化財センターが発掘調査を担うとしています。ここでも府主導の「府市統合」が見て取れます。

 

 大都市である大阪の地中には、いまだ解明されず謎に包まれた遺跡が数多く、「難波宮跡」など歴史的に重要な遺跡も多い。「大阪市文化財協会(市文協)」は、大阪市内の文化財の調査研究と保存、文化・教育の向上発展を目的に1979年に設立された。

 

 2013年、当時の橋下徹市長らが進めた「二重行政の解消」を目的とする府市統合本部会議で、「市文協」と「大阪府文化財センター」が二重行政とされ、「市文協」の解散が決定された。事業整理に時間を要し、昨年6月に2025年3月末解散と正式に決定された。