朝日新聞は1月19日、次の報道を行いました。
大阪市の平松邦夫市長は19日午前、市の第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)の仲茂彦社長と市公館で会い、WTCに入居している市部局の今年度賃料を8.5%引き下げることで合意した。市は昨年、WTCの二次破綻(はたん)の時期を10年3月と想定していたが、賃料引き下げで、今年9月にも破綻する可能性が出てきた。
市によると、WTCのオフィス用テナントのうち、市の7部局が約54%を占めている。市は昨年2月、独自の鑑定に基づき1平方メートルあたり月4700円の賃料を4300円に引き下げるよう要望。08年度予算でも減額した年間賃料を計上した。
だが、WTCが拒否したため、市は今年度も減額前の賃料を払い続けていた。また、昨年8月に大阪府の橋下徹知事がWTCへの府庁移転構想を表明。市は府への売却を「最優先」に進める一方、WTCはテナントの営業活動ができない事態に陥った。
今回の合意で、賃料は昨年4月にさかのぼって減額され、WTCの年間賃料収入は約1億5千万円の減収になる見通し。WTCの経営は厳しさを増すのは確実で、市幹部は「09年度末を待たずWTCが資金ショートを起こす可能性が高い」として、破綻時期が早まるとの見方を示した。
平松市長は協議後、「(WTCには)厳しい判断をしていただいた。今後はテナント企業に動揺を与えないよう府庁移転を検討する府との交渉にあたりたい」と語った。