朝日新聞は3月23日、次の報道を行いました。なお、民主党府議団は3月23日午前に団会議を開き自主投票で臨むことを決めました。
大阪府の橋下徹知事が提案した「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC、大阪市住之江区)への府庁移転条例の成立が困難な情勢となった。府議会最大会派の自民は22日、賛成方針を決めたが、会派拘束はかけておらず、反対派の一部は造反する見通し。共産に続いて、公明も反対表明しており、現状では条例案可決に必要な3分の2以上の賛成を得るのは極めて厳しい状況だ。
自民党府議団(49人)は、21日昼過ぎから22日未明まで対応を協議。若手を中心とした賛成派とベテランを中心とした反対派が対立した。最終的に会派として方針を決めることになり、条例案の賛否は過半数が「賛成」だったため、浅田均府議団幹事長が「賛成の方向でお願いしたい」と要請。だが、自主投票を主張する反対派に配慮し、明確に「賛成」での会派拘束をかけなかったため、反対派には「事実上の自主投票」との受け止めが広がった。
自民の対応ぶりを見極めていた民主(24人)も賛否が割れており、「自民が会派拘束をかけなければ、民主も自主投票」(府議団幹部)との立場。「原案に反対」とした公明も、自民が原案を修正する動きを見せていないため、本会議で反対する構えだ。
移転条例案は23日の総務常任委員会で採決され、同日の本会議で議決される。可決には出席議員(定数112人)の3分の2以上の賛成が必要。全員出席した場合、3分の1の38人以上の議員が条例案に反対すれば否決される。自民内には「少なくとも10人は造反する」(反対派)との見方があり、反対の公明(23人)と共産(10人)を加えると、反対票が3分の1を超える可能性が高い。
一方、橋下知事は条例案の今議会での議決を強く求めており、継続審議の選択肢はないと見られる。このため、賛成派の自民党府議団幹部も「冷静に考えると、今議会での成立は厳しい」と話す。 橋下知事は22日、「議会の判断を待つ。マルかペケかつけていただく。変化が止まれば、政治や行政に対する期待が一気に冷え込むのは間違いない」と報道陣に語った。